アクロス・アソシエイツ・コンサルタンツ

Monday 17 January 2011

三葉虫から学ぶ

入社した当時まだ右や左も分からない頃、会社のトップがよく言われていたことが今も忘れられません。「会社の運命はいかに早く市場の変化を把握するかにかかっている。その為には全員がアンテナを高く張って情報をつかむことだ」と。今思い起こす度にこの言葉の意味を切実に感じています。

エレクトロニクスの業界に限らずどの分野も日進月歩のスピードで進化しています。他社に先駆けて開発した新技術も瞬くうちに陳腐化してしまいます。市場で起こる変化をいち早く察知し、先手を打たないことでこの世から消えていった企業の事例は無数にあります。情報化社会のめまぐるしい変化と生存競争は誰でもが経験していることですが、実はこの弱肉強食の世界は今から5億4千万年前のカンブリア紀に起こりました。それまで地球には軟体動物しか存在せず、海底の藻類を食べていたと言われています。その後に生まれた三葉虫は初めて獲物を捕えて食べることで生存しました。ではなぜ捕食者が登場したかといえば、視覚を持つようになったことが原因と言われています。この動物は獲物を捕える目を持つことで獲物の位置がわかり、また敵の接近も感知して逃げることが可能になったことで生存競争に勝ち抜くことができたという学説が有力です。

これはまさに現代の企業の生存競争で経験していることです。生死の分かれ目は目つまりアンテナを持つことでいかに早く状況を把握し、行動に移せるかにかかっています。まさに企業もアンテナを高く張り状況をいち早く入手することで競争に勝つことが可能になります。それは目の誕生が弱肉強食、生存競争に重要な役割を果たした歴史が証明しています。実際先にあげた会社のトップは“IT化の流れ”をもっと早く感知すべきであったと後日述懐しておられました。皆さんも市場の小さな変化も敏感に捉える目をお持ちでしょうか?
鶴見

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