アクロス・アソシエイツ・コンサルタンツ

Thursday 23 December 2010

Season's Greeting


本年も残り少なくなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか?欧州の異様な寒波で交通機関が乱れ、足止めされてしまった方々も多いかと思います。

お蔭様で2010年も様々なクライアントとお仕事をさせていただくことができました。来年はアクロスアソシエイツもコンサルタント事業を拡大していこうと計画中です。何卒、2011年も宜しくお願い申し上げます。

それでは皆様にとって2011年も実り多い年でありますように。よい年末年始をお過ごしください。

I wish you a Happy Christmas and a Prosperous New Year! (西川)

Sunday 19 December 2010

小澤征爾さんが訪ねて来られました!

それは2002年、日韓合同のワールドカップで日本が第一戦のベルギーとの試合に2対2で引き分けた6月4日のことだったと記憶しています。翌日の出張を控えてベルリンのオフィスを出て、普段からいきつけの日本料理店「よしおか」に着いたのは9時をまわっていたでしょうか。お店には数名のお客がいました。いつものカウンター席に座るとマスターが私の後ろの少し離れている席を指さして「小澤征爾さんがみえていますよ」と教えてくれました。

見るとお一人で食事をされているのです。「よしおか」のマスターは大のクラシックファンで、そのこともあってかベルリンで音楽を勉強している人をそこではよく見かけましたが、あの小澤征爾さんがお一人で見えているのには驚きました。当時はウィーン国立歌劇場の音楽監督をされていたようです。お邪魔かと思いましたが、こんなチャンスはまたとありません。図々しく自己紹介をしてお話をしました。サッカーもお好きなようで日本の試合をビデオで観られないかを尋ねられました。丁度私のオフィスのあるソニーセンターには日本のフジテレビの放送センターも設置されており、ソニーにも観られる場所はありますので是非お時間があればお出でください、とその時は何気なしに言ってその場を離れました。

出張から戻るとソニーの部下から「小澤さんがみえて皆大慌てしました、何故連絡を入れてくれなかったのですか」とクレームを受けこちらもビックリ。まさかすぐにお出でになるとは思いませんでしたが、幸い急遽アレンジをして小澤さんにはご迷惑をお掛けしなかったと聞きホッと胸をなで下ろしました。部下には大謝り、日頃からコミュニケーションを大切に、などと言っている自分がこんなことではいけない、と大いに反省した次第です。世の中には自分に報告がないと腹を立てる上司が、さて自分は皆と情報を共有しているかと言えば、決してそうではないケースも多いようです。こんな場合は上司に「気づき」をリマインドすることも遠慮なくやるべきでしょう。上司は部下から教えられることも多いものです。
(鶴見)

Monday 13 December 2010

会社はなぜ衰退するのか

日本では創業100年を越える企業が20,000社以上あるといわれています。この変化の激しい時代に何が事業を継続させたのでしょうか?私が入社した当時のソニーは創業者の井深さん、盛田さんがトップの経営者でした。家電メーカーとして後発のソニーは他社にない技術とユニークな商品で市場を創造し成長しました。モノだけでなく様々な経営分野で創業者の理念が浸透しました。その後会社のトップが代わり創業者の理念は企業文化として引き継がれましたが、何事にも果敢に挑戦するベンチャー企業から安定性を重視した企業になったようにも見受けられます。

このように企業は創業時の不安定であるが、ダイナミックな動きをする時代を過ぎ企業として安定した成長を求めるようになると、時には活力に陰りがでたり場合によっては衰退に向かうケースもあります。もし創業者が今でも経営していたらどうかと想像してみますが答えは簡単ではありません。後世の人の能力が劣っている訳ではありません。では何が違うのでしょうか?それは会社に勤める多くの人が従来の仕事をただそつなくこなすようになるからではないでしょうか?仕事は時に殻をやぶり、変化させることが重要です。ルールも変える必要があります。人は仕事がうまく行かない時に他人や組織などまわりの環境のせいにする傾向があります。

確かに現状を打破するには大変なエネルギーが必要なのは事実です。しかし創業後長年に亘っても若さを失わずに活気のある会社も存在します。与えられた仕事だけを今まで通りやることでは会社は生きていかれません。日本のように内向きの社会で生きてきた会社はやがてグローバル化の波にのまれてしまいます。さて今日も新しい日が始ります。やらなければいけない仕事が山積しています。しかし、ここで立ち止まり、会社を変える仕事は何かを考えてみましょう。これが企業の誕生から衰退の変化に挑戦してみることに繋がることでしょう。
(鶴見)

Thursday 2 December 2010

技術立国日本

1960年代にソニーが開発したトランジスタを使った小型VTRに使われた技術が米国アンペックス社の持つ特許に抵触するということで訴訟問題に発展しました。その後問題は解決し家庭用ビデオが誕生、大きな産業となりました。現在日本の特許数はアメリカに次いで2位ですが最近はやや減少傾向にあり、中国や韓国が迫る勢いで伸びています。

以前社内である議論が起こりました。(A)会社は自社で開発する独自技術にあくまでこだわるべき、とする議論と(B)他社で開発する技術を積極的に導入すべき、とする議論です。この議論は単純にどちらと割り切ることは難しいのですが、どちらにしても結論は企業文化に大いに関係しているようです。ソニーはもともとResearch makes the differenceという言葉で企業PRをしたように、独自技術を売りにした会社です。従って他社技術を使ってビジネスを拡大したアップル社などと違い自社で技術を開発することに情熱を燃やす技術者が多いのです。しかし、これは一歩間違えると他社と大同小異の技術の開発に多くの時間とコストをかけるリスクもあります。この反省もあり、最近は他社の技術も積極的に取り入れているようです。

この傾向は日本企業全体にも言えるかも知れません。日本企業は昔から自社の技術や自社のやり方にこだわる傾向があり、これがグローバル競争に後れをとる原因とも言われています。差別化戦略が技術的に困難になってきた状況もあるでしょう。またソフト技術に弱いとも指摘されています。しかし短期的に他社技術に頼っても中長期的には優れた独自技術なしでは厳しいグローバル競争に勝てません。ソニーに限らず日本企業全体が厳しい競争の中で短期志向を強め、世の中をアッと言わせるほどの技術の開発や製品が出てこないとなると世界競争に勝てません。
リストラ、コスト削減、集中と選択などどこの企業も生き残りに大変な努力を払っていますが、価値ある技術は無駄や夢の中で生まれてくるようにも思います。全てをそぎ落とすことをしない経営を望みます。
(鶴見)