アクロス・アソシエイツ・コンサルタンツ

Monday 28 February 2011

貴方は仕事が好きですか?

貴方は自分の仕事が「好き」ですか?と聞いたら叱られそうですが、多くの人は仕事が「好き」という感覚より、仕事に「責任」や「義務」を感じてやっているのではないでしょうか?ある日、私の友人でサービス産業で活躍する日系企業トップのT氏と、彼が直面していた競合他社による企業買収の話をしていました。この状況はさぞかしT氏には脅威ではないかと聞いたところ、彼はこの事態を全く心配していない、何故なら自分達ほどこの業界での仕事が「好き」な人間はいないから、とのことでした。

つまり単純に規模の拡大を目指しても事業に携わっている人達は本当に仕事を好きでやっている訳ではない。これでは真に良いサービスが提供できる筈はない、従って自分にとっては脅威ではなく逆にチャンスが生まれるということでした。
一見独善的とも聞こえますが、ここまで言い切れるという裏には自分達がサーブしているお客様に満足を提供できているという誇りと自信をうかがい知ることができました。

企業に働く全員が理想的には「好き」で仕事をやれる状況が作れれば、それはかなりの企業と言えるのではないでしょうか?繰り返しますが、「好き」ということは独りよがりや、趣味で仕事をすることではありません。一緒に働く仲間、お客、社会に喜んでもらえることで自分も満足を得て「好き」という感覚が生まれるのではないか、と思った次第です。自分の人生を振り返ってみると、決して仕事が嫌いだった訳ではありません。しかし積極的に「好き」だったかと問われると「イェース」と自信を持って言えるか確かではありません。会社の成長が難しくなり、量より質が求められている今日、心から「好き」で仕事ができるような会社にすることが何より大切ではないでしょうか?
(鶴見)

Sunday 20 February 2011

薬で直るとは限らない

皆様は風邪をひいた時どのように対処されますか?仕事が忙しくなかなか休めず薬を飲みながら、結局ズルズルと病気を引きずった経験をお持ちの方も多いことと思います。私もこの冬、咳風邪がなかなか完治せず薬を飲んでしまいましたが通常薬は飲まず、体を休め睡眠を十分とることで体が自然に回復するのを待つことにしています。

以前日経に載った記事“「風邪薬」を安易に飲むな”(京都大学教授、鎌田浩毅)にはまさに私の思った通りのことが書かれており、そうだろうと膝を打ったものです。「現代人はあまりに薬に頼りすぎています。ちょっとした風邪でもすぐに薬を飲んで、症状を緩和させて仕事を続けようとする。そうやって無理をするのが体に良いはずはありません。風邪をひいたら人間の体が本来持っている自然治癒力を生かして、休養を取ればよいのです」つまり、風邪の症状を部分的に見て「対症療法」に走るのではなく、もっと体全体のことを考えるべき、ということです。自然治癒力を増すには普段から食生活に注意し運動をして体そのものを普段から健康に保つことです。

この示唆は体のみならず、会社の経営にも当てはまるのではないでしょうか。以前サプライチェーンの改革をやった時のことです。プロジェクトをリードした人は物流を主体に改革を進めましたが、当然ながらプロジェクトはもっと広い業務、例えば販売やサービス、設計部門を巻き込むもので一部門だけの改善では対処できないことを経験しました。会社の問題の多くは他部門を巻き込む全体的な改善をやらないと解決できないことは皆様も経験されていることでしょう。会社が風邪をひいたらすぐに薬を与え対症療法で直すことは全体をゆがめ、更に大きな問題に発展します。安易なパッチワークは弊害を生み問題を深刻化することを学ぶ必要があると思いますがいかがでしょうか?
(鶴見)

Wednesday 2 February 2011

トップのメッセージ

トップのメッセージがいかに大切かは今さら言うまでもありません。先日ダボス会議で我が国の首相が日本経済の再活性化で第三の開国(平成の開国)をアピールしたようです。最近日本は低迷を抜け出せない国として海外から注目度が低い国になってしいました。この「平成の開国」は首相が日本を再び活性化することにコミットをしたことに意味がありました。

しかし、外国から見ればこのメッセージはいかにも日本の苦悩が読み取れるようなもので、これで期待度が大いに上がることにはならないでしょう。何故なら、これまで日本が世界に発信した「開かれた国」の類のメッセージは大体実現しなかった場合が多かった。つまりメッセージに信憑性がなかったわけです。低迷を続ける企業のトップが何年間も黒字化すると言い続けても実現しなければ見放されるのと同じです。また日本人にとってもこの「開かれた国」がどれだけモチベーションを高めるメッセージなのかも疑問です。今の時代にあえて「開かれた国」と言わなければならないのではいささか逆効果のようにも思えるのは私だけでしょうか。

昔ソニーはまだ小さな企業であった時から、いつかは世界のトップ企業になる、というトップのメッセージにどれだけ全員がモチベートされたことでしょうか。トップはただ夢を語ればよい訳ではありません。そこに情熱、コミットメント、戦略、実績があってこそ信用されます。ただ良い会社にするとか利益を出す、だけのメッセージでは活力が生まれません。私も現役の当時皆が元気になるようなメッセージを出すことに心掛けましたが、特に状況が困難な場合にはバラ色のメッセージより辛い内容になりがちです。そこを乗り越え全員をモチベート出来て初めてトップと言えます。日本の首相からは日本はこんな分野で「世界一」になり、「世界に貢献」する国になるというメッセージを聞きたいものです。皆さんのご感想はいかがでしょうか?
(鶴見)