Thursday 10 November 2011
異文化マネジメントセミナー
Monday 12 September 2011
交渉の知恵
Wednesday 24 August 2011
日本人社員のための研修を企画しました
Sunday 21 August 2011
社員の尊敬を集めた井深さん
Tuesday 9 August 2011
会社の寿命と自家中毒
一昔前「会社の寿命30年説」というのがありました。現在はもっと短いかも知れません。あくまで平均値ですが企業が市場から退場させられた主な理由は「環境変化の対応能力」と言われています。事業や組織を変えなくてはいけないのに変えないとか変え方が悪い、といったことです。しかしソニーの創業者の盛田さんは常々こう言っておられました。「会社が倒産する一番の原因は外部要因より内部要因、つまり自家中毒です」と。盛田さんにしてみれば、環境の変化は当たり前、強力な競争相手との競合も当たり前。それにどう対応するのか、どう競争に勝つかは自分次第で問題はむしろ内部にあると。因みに盛田さんは日本が外資を規制し日本の企業が競争にさらされないことが日本企業にはマイナスであり競争があってこそ企業は強くなる、とも言われていました。
ところが会社は自家中毒に知らず知らずに犯される。私はこれまで何度も海外赴任を終え日本に帰国して間もなくまた現地に呼び戻されました。私が余人をもって代え難いのではなく、現地で内部の問題が起こり修復にかりだされたのです。まさに盛田さんの言われた内部問題が原因で自家中毒を起こしたのです。自家中毒はリーダーシップの不在とか、部門間や個人間のつまらない利権争いなどによって引き起こされます。百害あって一利なしです。他方外部の厳しい環境は盛田さん流には望ましいとも言えます。
ゴルフで惨めなスコアーを出した時、今日は風が強かったのが崩れた原因と言いわけは出来ません。風は誰にも平等に吹き、これを乗り越える技術を持ち良いスコアーでまわった人が勝ちです。むしろ知らないうちに倒産の原因にもなる自家中毒をどう防ぐか盛田さんの忠告に耳を傾けいつまでも若い会社でいたいものです。 (鶴見)
この記事は人材紹介会社センターピープルが英国ニュースダイジェストに掲載した「三角波シリーズ・四海波静か」より抜粋しました。
Thursday 4 August 2011
自分のエネルギー管理を考えよう
我々は、よく「忙しい」という言葉を連発します。しかし、この忙しいという言葉は、「心を無くす」と書くので連発してはいけない、と有名なお坊さんが書いているのを読んだことがあります。我々は、忙しくなると愚痴を言いつつも「時間」で解決しようとしますが、今日は、もっと賢い対処方法を紹介します。それは、我々が持つ「エネルギー」をより上手に使い、ワーク・ライフ・バランスを推進する方法の紹介です。
研修では、フル・エンゲージメント(優れたパフォーマンス)を支える源は、「エネルギー」であると説きます。例えば、車のエネルギー源は、ガソリン、ディーゼルや電気ですが、人間のエネルギー源は、「身体、感情、頭脳、精神」の四つの分野から成り立ち、そのエネルギーは、人が考え、感じ、行動することのすべてに影響を与えます。このため、エネルギーをバランスよく管理することが重要であるとし、その方法を教えます。
研修では、優れたパフォーマンスを引き出す鍵は「時間」管理ではなく「エネルギー」管理にあると説きます。フル・エンゲージメントとは、「優れたパフォーマンスを発揮するために身体、感情、頭脳また精神の最適なエネルギー状態」を指します。
要するに、身体のタンクにエネルギーが満ち、感情は前向きで管理できている状態、すなわち身体の「量」に対し、感情は「質」です。頭脳はIQとは関係なく、正しい方向に「焦点」を合わせることができる集中力、また精神は、最も強力なエネルギーで本当に大切なものが何かを自覚している状態です。
この研修内容は、世界の頂点に立つスポーツ選手を多数メンタル・コーチングした人が30年以上かけて研究し、ビジネス・パーソンにも適応できるように開発され、何をすれば良いのかを自分たちで答えを導き出す一日研修です。例えば、テニスで言えば、世界の頂点に立つ選手と二番手にいる選手の比較をするとスキル面では、ほとんど差がないにも関わらず、差が出るのは、このエネルギー管理法だと説きます。
F1で優勝するためには、戦略的に効果的・効率的ピット・インが必要です。人間も定期的整備と給油が必要です。要求が厳しい仕事をしている人ほど必要です。まじめな人の本能として、ニーズが高まれば高まるほど自分に鞭を打ってがんばってしまいます。これは改める必要があります。人間は生まれながらにして、再生するように作られているのです。
Thursday 28 July 2011
ソニーの盛田さん(その2)
人生を全速力で駆け抜けた盛田さんですが、我々にはもっと働けとか頑張れ、などといった言葉は一切かけられませんでした。入社式のメッセージでは「皆さんは自らの意思で我社に入ってきました。もし仕事がいやでつまらない日々を送るようなことになれば引きとめはしません。大切な人生なので他社に移るなど自由です」と。ケネディーではありませんが“会社が社員に何をしてあげるかではなく、社員が会社に何ができるかを問いなさい”というメッセージです。一方で仕事だけでなくよく遊びなさいと。ご自身も50歳を過ぎてからスキーを楽しみコンサートなどによく行かれていました。
お陰様で我々もよく働き、よく遊びました。しかし、仕事となるとやはりやるなら世界一を目指そうではないか、という哲学でした。ですから次々と世界初にチャレンジをしました。後に会社がやや勢いを失った時のことです。かつて盛田学校の卒業生がこう言いました。「日本で一番目に高い山は?と聞かれたら誰でも富士山と答えられます。では二番目に高い山は?と聞かれれば知っている人は少ない。だからやはり一番を目指さないといけない、これが盛田さんから引き継いだ創業精神です」。
盛田さんの哲学は皆がフェアーに競争をすることで社会全体が向上する、というものです。と言っても一番を目指しても失敗することはある訳で、その場合チャレンジして失敗した人は何もチャレンジせず失敗しなかった人よりはずっと評価が高い。これが盛田さんの哲学で社風になったように思います。あの他社に先駆けて製品化した家庭用ビデオのベータマックスがVHSとの規格戦争に敗れた時も、盛田さんの口から非難は一切聞かれませんでした。担当者が降格された話も聞きません。だからこそ次の8ミリビデオでは成功を収めたのでしょう。経営とはその人そのものです。世の中には色々な会社がありますが、企業風土とか社風は創業者の志によって作られるものです。 (鶴見)
この記事は人材紹介会社センターピープルが英国ニュースダイジェストに掲載した「三角波シリーズ・四海波静か」より抜粋しました。
ソニーを創った不屈の男たち
Wednesday 20 July 2011
ソニーの盛田さん(ニュースダイジェストよりの抜粋)
まずはソニーの創業者の盛田昭夫さん。兎に角この人ほどファンを沢山作った人はいないでしょう。北米勤務時代にはよくお会いしてゴルフもご一緒しました。仕事は全力、もちろんゴルフもです。ニューヨークでゴルフをご一緒した時です。一打一打本当に真剣で、私のようにたかがゴルフと,いい加減にやる人間とは大違いです。パットが入らないとメチャメチャ悔しがる。上手くゆくと大喜びする。こんなに一喜一憂していたらさぞかしお疲れになるだろう、と心配しましたが全力を出し切るという表現がまさにピッタリ。プレイした後は、今日は本当に楽しんだという風で清々しくご機嫌です。
ソニーがあのウォークマンを発売した時、盛田さんご自身が一号機をお持ちになりニューヨークのオフィスに来られ我々駐在員を集めて披露されました。ご自分の発案もあってか一段とエキサイトされていました。ところが我々、少なくとも私などは何故こんなモノがそれほど素晴らしいのかといったような間の抜けた受け取り方しかできず、盛田さんの「これは売れるよ」という言葉に適当な相槌を打っていた位です。あの方はあれだけ人一倍何事も楽しむ人だからこそウォークマンの秘めた市場性を見抜けたのでしょう。実際モノを設計した技術者もそれほどヒットする商品に育つとは思っていなかったようですから。あの方の人生はきっと普通の人の数十倍、数百倍、密度が濃かったように思います。そしてファンが多かったこともうなずけます。(鶴見)
この記事は人材紹介会社センターピープルが英国ニュースダイジェストに掲載した「三角波シリーズ・四海波静か」より抜粋しました。
Monday 11 April 2011
震災時のリーダーシップ
Wednesday 6 April 2011
「復興」にあたって
しかし、この度の地震と津波で、いかに強固な防災施設を作っても海に近い場所に木造の住宅を作ることがいかに危険かを学びました。将来、住宅は海岸に近い平地から高台に移す、港に近い平地には鉄筋の避難場所を兼ねたビルを作るなどの新しい町作りが必要です。昨今、海外では被災された東北の人達の頑張りに称賛の声が上がっています。「頑張れ東北」「頑張れニッポン」。復興の作業がこの「頑張りの精神」で進められて行くことに間違いはありません。
さてここで敢えて今後のチャレンジを指摘しますと、一方で昔からの村や町を以前のように作りたい希望がある反面この機に将来再び起こるかも知れない災害に強い新しい町作りをしたい。この二つをどう整合性をとるのでしょうか?グランドデザインを描き未来型の新しい町や村の建設をするなら今しかありません。傾いた会社も再建復興を目指すなら部分的な手直しをするのではなく、将来の全体像を描くことから始めなければならないのと同じです。日本人の長所は目先の困難を乗り越える我慢強さであり、頑張りのきく勤勉性です。しかし、この強さのために、長期的ビジョンを忘れ、瓦礫を片付け元の場所に元の家を作ることが始まるとこの災害を転機にする絶好の機会を逸することにならないでしょうか?遠くから被害を受けた方々の物心両面に受けた深い傷を本当に理解していない者が簡単に言うべきことではありませんが、この傷が癒えない前に皆が考えるべきこととして書いてみました。(鶴見)
Wednesday 23 March 2011
大災害にあたって
”頑張れ、東北””負けるな、日本”。エールが多く寄せられています。しかし、この被害地の状況を見ると、それほど短期的に復興するとは考えられません。ずたずたになった町、破壊されたインフラ、放射能の影響、失った仕事、そして亡くなられたご家族や仲間がおられる方々は立ち直るには長い時を要することは容易に想像できます。
スケールは違いますが、会社でも辛い時期を過ごした経験をお持ちの方も多いことと思います。製造業に身を置いた私も製品の導入遅れ、品質問題、事業からの撤退など厳しい状況を何度も経験しました。当時かなりのプレッシャーで心身共に疲れ果てていた時もありました。何とか乗り越えられたのはある程度解決の出口が見えていたからだと思います。周りで働く同僚とのコミュニケーションにも助けられました。しかし、疲労が続き心身に障害をきたした人もいました。問題解決の糸口が見えない中で力尽きるまで頑張ったのです。そんな状況では頑張れ!の掛け声だけでは決して良い結果を生みません。
東北で被害に会われた方々にエールを送り応援することは大切と思います。しかしここではこの長期戦を乗り切る覚悟をしないと精神的、肉体的にまいってしまうのではないか?東北人は忍耐強いと言われていますが、他人に愚痴もこぼさず、一人胸に苦労を貯め込むことは新たな問題を生むのではないか?この大自然の災害に人は短期戦を挑まず遅くとも一歩一歩あせらずに長期戦を覚悟でやってゆくこと、これが人の心と体を保ち最終的に困難を乗り越える知恵かと思います。
(鶴見)
Wednesday 9 March 2011
アニマル・スピリット
ケインズはその著“雇用、利子、および貨幣の一般理論”でアニマル・スピリットの重要性を説いています。経済活動を進ませるには、合理的な理由だけでなく合理的には説明できないアニマル・スピリットのような心理が重要ということです。この精神は開拓者精神であり、挑戦心でもあります。
最近はこのアニマル・スピリットが日本では影をひそめ、草食系男子などが話題になっています。私が米国で勤務していた頃、当時のソニーの経営者である盛田社長が来られ社員を集めて会社の状況を説明する中で、“ソニーは予想以上に大きく成長し今後は日米貿易摩擦解決などにも積極的に役割を果たしたい”というような主旨の話をされました。私はこの“予想以上に”という言葉が妙に気になりずっとその真意が分からなかったのですが、今思うと盛田さんは旺盛な開拓精神をお持ちだったが、その成長はいつまでに何割伸ばすとか、そんな予想や統計ではなく常にチャレンジ精神のみが先行し、気が付いたらこんなにも成長できた、これはまさに驚きであるというアニマル・スピリットそのものであったように思われるのです。
最近は企業の成長戦略が詳細なデータや情報による裏付けにより立てられ実行されるケースが多いものの、このアニマル・スピリットがやや不足しているようにも感じられます。やみくも突き進むことが良い訳ではありませんが心の中にアニマル・スピリットの火を絶やさないことが今後の躍進には求められていると感じます。
(鶴見)
Monday 28 February 2011
貴方は仕事が好きですか?
つまり単純に規模の拡大を目指しても事業に携わっている人達は本当に仕事を好きでやっている訳ではない。これでは真に良いサービスが提供できる筈はない、従って自分にとっては脅威ではなく逆にチャンスが生まれるということでした。
一見独善的とも聞こえますが、ここまで言い切れるという裏には自分達がサーブしているお客様に満足を提供できているという誇りと自信をうかがい知ることができました。
企業に働く全員が理想的には「好き」で仕事をやれる状況が作れれば、それはかなりの企業と言えるのではないでしょうか?繰り返しますが、「好き」ということは独りよがりや、趣味で仕事をすることではありません。一緒に働く仲間、お客、社会に喜んでもらえることで自分も満足を得て「好き」という感覚が生まれるのではないか、と思った次第です。自分の人生を振り返ってみると、決して仕事が嫌いだった訳ではありません。しかし積極的に「好き」だったかと問われると「イェース」と自信を持って言えるか確かではありません。会社の成長が難しくなり、量より質が求められている今日、心から「好き」で仕事ができるような会社にすることが何より大切ではないでしょうか?
(鶴見)
Sunday 20 February 2011
薬で直るとは限らない
以前日経に載った記事“「風邪薬」を安易に飲むな”(京都大学教授、鎌田浩毅)にはまさに私の思った通りのことが書かれており、そうだろうと膝を打ったものです。「現代人はあまりに薬に頼りすぎています。ちょっとした風邪でもすぐに薬を飲んで、症状を緩和させて仕事を続けようとする。そうやって無理をするのが体に良いはずはありません。風邪をひいたら人間の体が本来持っている自然治癒力を生かして、休養を取ればよいのです」つまり、風邪の症状を部分的に見て「対症療法」に走るのではなく、もっと体全体のことを考えるべき、ということです。自然治癒力を増すには普段から食生活に注意し運動をして体そのものを普段から健康に保つことです。
この示唆は体のみならず、会社の経営にも当てはまるのではないでしょうか。以前サプライチェーンの改革をやった時のことです。プロジェクトをリードした人は物流を主体に改革を進めましたが、当然ながらプロジェクトはもっと広い業務、例えば販売やサービス、設計部門を巻き込むもので一部門だけの改善では対処できないことを経験しました。会社の問題の多くは他部門を巻き込む全体的な改善をやらないと解決できないことは皆様も経験されていることでしょう。会社が風邪をひいたらすぐに薬を与え対症療法で直すことは全体をゆがめ、更に大きな問題に発展します。安易なパッチワークは弊害を生み問題を深刻化することを学ぶ必要があると思いますがいかがでしょうか?
(鶴見)
Wednesday 2 February 2011
トップのメッセージ
しかし、外国から見ればこのメッセージはいかにも日本の苦悩が読み取れるようなもので、これで期待度が大いに上がることにはならないでしょう。何故なら、これまで日本が世界に発信した「開かれた国」の類のメッセージは大体実現しなかった場合が多かった。つまりメッセージに信憑性がなかったわけです。低迷を続ける企業のトップが何年間も黒字化すると言い続けても実現しなければ見放されるのと同じです。また日本人にとってもこの「開かれた国」がどれだけモチベーションを高めるメッセージなのかも疑問です。今の時代にあえて「開かれた国」と言わなければならないのではいささか逆効果のようにも思えるのは私だけでしょうか。
昔ソニーはまだ小さな企業であった時から、いつかは世界のトップ企業になる、というトップのメッセージにどれだけ全員がモチベートされたことでしょうか。トップはただ夢を語ればよい訳ではありません。そこに情熱、コミットメント、戦略、実績があってこそ信用されます。ただ良い会社にするとか利益を出す、だけのメッセージでは活力が生まれません。私も現役の当時皆が元気になるようなメッセージを出すことに心掛けましたが、特に状況が困難な場合にはバラ色のメッセージより辛い内容になりがちです。そこを乗り越え全員をモチベート出来て初めてトップと言えます。日本の首相からは日本はこんな分野で「世界一」になり、「世界に貢献」する国になるというメッセージを聞きたいものです。皆さんのご感想はいかがでしょうか?
(鶴見)
Sunday 23 January 2011
「素晴らしい」運動選手であることの意味
以前、錦織選手があるメディアのインタビューでこんな発言をしたことを記憶しています。それは彼が日本人としてプロテニスプレーヤーという困難な道を歩んだことに対する感想でしたが、彼曰く「プロテニスの選手でやってゆくのは勿論多くの困難はあるが、大変ラッキーなことに現在のプロのトッププレーヤーであるフェデラーやナダルが“素晴らしい選手”であるお陰で自分としても遣り甲斐がある」ということでした。
この“素晴らしい”ということは、単純に強いというだけでなく、人格やマナーなど全ての点で模範になる、という意味だと思います。私もフェデラーとナダルは大のファンですが、彼らの強さ、巧さに加えてフェアーで真摯な態度にはいつも感激させられます。錦織選手はこのようなトッププロに素晴らしい選手がいるプロテニス界でプレーできる自分が幸せということでした。
同じようなことはテニスのみならず他のスポーツや企業にも言えるのではないかとその時思ったものです。例えばプロゴルフでタイガーのようなトッププロのスキャンダルがゴルフ業界全体に与えた悪影響は計りしれません。そして企業の場合でもそこの長が全体に与える影響も同様です。業績を上げるだけでなく、人間性が豊かでフェアーなトップがいてこそ会社や部門全体が活気づき、全員のモチベーションもあがるということを皆様も経験されていることと思います。皆様も是非錦織選手のようなコメントを部下からもらえる上司、トップを目指してください。
(鶴見道昭)
Monday 17 January 2011
三葉虫から学ぶ
エレクトロニクスの業界に限らずどの分野も日進月歩のスピードで進化しています。他社に先駆けて開発した新技術も瞬くうちに陳腐化してしまいます。市場で起こる変化をいち早く察知し、先手を打たないことでこの世から消えていった企業の事例は無数にあります。情報化社会のめまぐるしい変化と生存競争は誰でもが経験していることですが、実はこの弱肉強食の世界は今から5億4千万年前のカンブリア紀に起こりました。それまで地球には軟体動物しか存在せず、海底の藻類を食べていたと言われています。その後に生まれた三葉虫は初めて獲物を捕えて食べることで生存しました。ではなぜ捕食者が登場したかといえば、視覚を持つようになったことが原因と言われています。この動物は獲物を捕える目を持つことで獲物の位置がわかり、また敵の接近も感知して逃げることが可能になったことで生存競争に勝ち抜くことができたという学説が有力です。
これはまさに現代の企業の生存競争で経験していることです。生死の分かれ目は目つまりアンテナを持つことでいかに早く状況を把握し、行動に移せるかにかかっています。まさに企業もアンテナを高く張り状況をいち早く入手することで競争に勝つことが可能になります。それは目の誕生が弱肉強食、生存競争に重要な役割を果たした歴史が証明しています。実際先にあげた会社のトップは“IT化の流れ”をもっと早く感知すべきであったと後日述懐しておられました。皆さんも市場の小さな変化も敏感に捉える目をお持ちでしょうか?
鶴見