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Tuesday 9 August 2011

会社の寿命と自家中毒

一昔前「会社の寿命30年説」というのがありました。現在はもっと短いかも知れません。あくまで平均値ですが企業が市場から退場させられた主な理由は「環境変化の対応能力」と言われています。事業や組織を変えなくてはいけないのに変えないとか変え方が悪い、といったことです。しかしソニーの創業者の盛田さんは常々こう言っておられました。「会社が倒産する一番の原因は外部要因より内部要因、つまり自家中毒です」と。盛田さんにしてみれば、環境の変化は当たり前、強力な競争相手との競合も当たり前。それにどう対応するのか、どう競争に勝つかは自分次第で問題はむしろ内部にあると。因みに盛田さんは日本が外資を規制し日本の企業が競争にさらされないことが日本企業にはマイナスであり競争があってこそ企業は強くなる、とも言われていました。

ところが会社は自家中毒に知らず知らずに犯される。私はこれまで何度も海外赴任を終え日本に帰国して間もなくまた現地に呼び戻されました。私が余人をもって代え難いのではなく、現地で内部の問題が起こり修復にかりだされたのです。まさに盛田さんの言われた内部問題が原因で自家中毒を起こしたのです。自家中毒はリーダーシップの不在とか、部門間や個人間のつまらない利権争いなどによって引き起こされます。百害あって一利なしです。他方外部の厳しい環境は盛田さん流には望ましいとも言えます。

ゴルフで惨めなスコアーを出した時、今日は風が強かったのが崩れた原因と言いわけは出来ません。風は誰にも平等に吹き、これを乗り越える技術を持ち良いスコアーでまわった人が勝ちです。むしろ知らないうちに倒産の原因にもなる自家中毒をどう防ぐか盛田さんの忠告に耳を傾けいつまでも若い会社でいたいものです。 (鶴見)

この記事は人材紹介会社センターピープルが英国ニュースダイジェストに掲載した「三角波シリーズ・四海波静か」より抜粋しました。

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