アクロス・アソシエイツ・コンサルタンツ

Monday 7 June 2010

社内派閥

このところ英国もようやく夏らしい天気になってきました。皆様はお元気でご活躍のことと思います。さて今回はマネジメントのある行動について考えてみたいと思います。昔米国で勤務していた頃、あるローカルマネジメントのトップが就任しました。彼は某米国企業のトップだった人で大変優秀な人であったと記憶しています。その人は就任後周りのスタッフに自分の元いた会社の人を新たに雇いいれました。

このようにトップが周りに自分の息のかかった人間で固めるのは欧米企業ではめずらしくありません。社内ではいつしか、「XXマフィア」と呼ばれる集団ができました。日本では学閥がある会社もありますが、気心の知れた連中で固める派閥のようなグループが出来てしまう企業も少なくないようです。

チームワークという面ではメリットもあるのかもしれません。また知人でも優秀な人を採ること自体はプラスなのでしょうが、悪くすると自分の保身のためにお気に入りの人間で周りを固めることにもつながります。これでは人の正当な業績の評価ができなくなり、社内のモチベーションに問題を生じ、企業の弱体化にもつながります。ある日系の現地会社では優秀な(と思われていた)現地人のトップをおいて安心していたら周りを無能な人間で固められてマネジメントがうまく行かなくなった話を聞きました。

繰り返しになりますが、お友達の中でも優秀な人間はいますので、このような状況をどう評価するのかは注意が必要です。しかし何と言っても、このような閥や特定のグループをつくる体質こそが問題です。私のロールモデルである盛田さんは人をその気にさせることが上手でしたが、同時に人の能力の評価、限界については厳しい目を持っておられたと感じました。

社内で変なグループ化ができるようになる原因はやはりトップの姿勢や人の評価能力にあるように思えます。そして海外オペレーションのような疎遠な場所で同じマネジメントが長期的に指揮をとるのは権力が大きくなりすぎたり、人の硬直化を招くことで風通しが悪くなったりグループ化が生じる場合もあり要注意です。皆さんのご経験はいかがでしょうか? (鶴見)

1 comment:

  1. 『社内派閥』

     優秀な人が入社して、その実力を拡張するために本人に息のかかった人を近くに登用するという例はアメリカに限らずどこの国、企業でも珍しい事ではないでしょう。

     組織に入れられた人は自分の権力を延ばさんがために、自分の命令を素直に聴く人をおきたがるものです、しかしよくよく考えてみると自分の意見に唯唯諾諾とする人が果たして本人の実力を認められているのでしょうか。

     むしろその人は上司に認められ昇進を夢見てそのような行為に拘ることが多い様な気がします。

     人は『何が正しいのか、将来像はどうすればよいのか』の判断を持ち、上司には之を一歩も変えない様に進言してゆくことが大切なのではない詩でしょうか。

     最近政治の世界で「誰が一番よい官房長官?」と云う質問で『後藤田正晴』氏のなまえが上がっていました、彼は長官時代「中曽根康弘」氏に仕えていましたが、物の本によると中曽根氏は必ずしも女房役である後藤田氏と意見が合わず常に論争をしていたと聞きます、さらに後藤田氏も自説を曲げず大義名分を押し通していたとか。

     ここで問題なのは上司の顔色を伺うのではなく自分で「こうでなくてはいけない」と云う事を押し通した自信と勇気があったからだと思います。

    お話の中にありました部下が自分の意見にすり寄って来ることの危険性より、しっかりした反対意見を理解した方が遥かに危険性が少ないのではないでしょうか。

    いずれにしても、自分自身が正しいと思った事を曲げずに実行することが大切なのでしょう。

    (邦)

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