
そんな中、ある日突然日本から電話が入りました。会社のトップ、盛田さんご自身でした。「私はそのアメリカ企業はトップを含めて良く知っている。大変重要な案件なので是非成功して欲しい。」会社のトップから直接電話を受けてビビりましたが一層頑張ったものです。盛田さんの経営スタイルは部下を叱咤激励し率先垂範でやられる非常なアクティブなものです。当時はパソコンもまだなかったので主なコミュニケーションは電話です。このように重要と思われることは中間にいる部下を飛ばして直接担当者に電話をされることはめずらしくありませんでした。残念ながらこの商談は負けて結果は盛田さんを失望させることになってしまいました。直接お叱りは受けませんでしたが、この件は今でも忘れられません。
その後この“中間部下飛ばし”とは別の経験をしました。そのマネジメントにある日直接担当者から相談があったようです。そのマネジメントは担当者にまずはあなたの直接の上司に話なさい、ということで終わったようです。自分が直接担当者と話をしては中間の管理職の人の立場がない、ということでしょう。部下を育てるのは我慢も必要とよく言われます。しかし担当者が直接自分の上司を越えて相談を持ちかけるのは、それなりの事情があったことと察しがつきます。
このようにマネジメントのスタイルは人によりケースによっても異なります。しかし常に企業内のランクを重んじていては風通しのよい企業風土は作れません。担当者が事情を最もよく知っています。現場からの重要なインプットを大切にして時には現場へのダイレクトの指示を出すことも大企業病に陥らない第一歩とおもいます。この使い分けが上手にできるか否かがマネジメントに試されているような気がします。
(鶴見)
(鶴見)
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