アクロス・アソシエイツ・コンサルタンツ

Saturday 9 January 2010

貴方は赴任者を信じますか?


最近は特に海外での仕事の難易度が高く赴任期間内で終わらない場合も多い。会社によって赴任期間には差があるが、平均すれば4年ほどであろうか?さて、ここでの問題は限られた赴任期間のなかで赴任者は何をどのように現地で達成できるかということだ。

決められた業務をこなすだけという人もいれば、現地で大きな改革に取り組む人もいる。自分も若い頃は会社や上司が引いてくれた線路の上を一途に走った。しかしマネジメントになればただ売上や利益を伸ばすだけでなく、根本的に組織や人事も大きく変える必要も出てくる。特に最近は市場環境や技術の大きな変化でビジネスのやり方を根本的に見直す必要が出てくるケースも多い。

数年前に欧州での改革を責任者として実行した時のことである。今から思えばやや無謀に実行したとの反省もある。しかし以前からの体制を続けることは選択肢になかった。製造、販売、サプライチェーン、バックオフィス、シェアードサービスと広きにわたる改革であった。実行プランを作り社内に諮りチェンジマネジメントのチームを作った。 兎に角まづは主要メンバーが一同この改革に賛同し、やる気を出してもらわないといけない。それに期間も限られている。

さていよいよ実行という時にある主要な現地人から直接言われたことがある。「Mr.Tsurumiはいつまで欧州でやるのか?」その言葉の意味は明白であった。これまで何人ものマネジメントが代わった。その度に組織を変え、人を変えた。どうせ貴方もそのうちに代わるだろう。その時はまた別の人が別のやり方でやる。自分たちはそんなことでもう振り回されたくない、とまでは言わなかったがこれが彼の本音であった。

私は言葉に窮したが、その時は自分を信じてこの改革を進めて欲しい、などと言った覚えがある。彼が本当に信じたかどうかは疑わしい。現地人は継続性があるが赴任者には赴任期間がある。いざとなれば本社という戻り先もある。現地人のなかには、日本からの赴任者はそのうちに帰任するから今はジッと砂に頭をいれていれば嵐は通り過ぎる、と考える人がいても不思議ではない。これでは会社を抜本的に変えることは難しい。さて、皆さんはこの問題をどう考えますか? (鶴見)

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