アクロス・アソシエイツ・コンサルタンツ

Tuesday 10 August 2010

差別とチャンス

Wisley Golf Clubは今から20年前にRobert Trenton Jrの設計でオープンしたメンバーシップゴルフクラブです。会員数約700名、30以上の国籍の会員がいる国際的なクラブです。4年前私はここの会員になり、以来ここでのクラブライフは英国生活の大切な一部になっています。

先日このレストランで働くAlexとラウンドが終わり一杯飲む時に話すチャンスがありました。彼は中年でとても誠実で感じの良い人です。経歴を聞いてみると以前は英国の某有名なゴルフクラブで働いていたが嫌になり辞めてここに移ったとか。以前の職場で彼はメンバーからlook downされる、つまり目に見えない差別を経験したということです。英国の伝統的なクラブの中には今でもある種の差別があるようですが、こうして実際に働いた人から聞くのは初めてでした。Alexはここのゴルフクラブではそんなこともなく楽しく働けると満足そうでした。

さてここで一つの仮説を立ててみました。①日本人は人種差別をしない。②日本企業はローカルの人を能力で雇う。③従って日本企業ではretentionの率が高く優秀な人材が集まる。では実際はどうなのでしょうか?日系企業では人種差別問題は少ないでしょうがローカルと日本人、男女の間で本当に差別はないでしょうか?入社したローカルの人の能力をフルに発揮させる環境を作っているでしょうか?ここでは優秀だが差別を感じている人もいます。日本企業が肌の色、人種、性、年齢の差別なく皆がモチベーションを高くして働ける環境を作れば優秀な人が入り大いに業績に貢献してくれるチャンスもあるように思います。
英国での人種差別問題。この目に見えない問題は日本企業の発展に重大な課題とチャンスを同時に投げかけているように思います。ゴルフクラブに働く人の質と職場の環境が密接に関連していることを知り考えさせられた一件でした。蛇足ながら、Wisleyのメンバーになり会員の間での人種差別を感じたことはありません。
(鶴見)

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