一つ目は小笠原諸島が南洋に位置しているにも拘わらず、そこには他で見られる色鮮やかで派手な花は少なく、地味で白い色の花が多いという話です。その理由が面白く、小笠原諸島では花の種類が少なく「花同士の競争」がないからだそうです。諸島は誕生以来これまで大陸と地続きになったことはなく、離れ小島であったため、昔からの種のみが生存し花の種類も限られてきました。南洋によく見られるあの色鮮やかな花々は出来るだけ目立つことで蜂などに花粉を運んでもらい種の存続を図るそうです。小笠原諸島の花はこの花同士の競争がないため、目立つ必要がなく、美しい色をつくるエネルギーを使わないことで白い花が多いとか。いわば花自身の「さぼり」の結果という訳です。言われてみると、なるほどと思います。
二つ目は小笠原諸島特有のアカガシラカラスバトという鳥が外来の動物である猫に襲われるケースが多く今や絶滅の危機にさらされている話です。理由はこの鳥が木の実などの餌を地上で取るためなんと地上に巣を作り猫に襲われるとのこと。何故地上かと言えば、昔から猛禽類が唯一の天敵であった為この鳥は地上に住むようになったようですが、突然外地から人によって持ち込まれた猫が野生化し、それに襲われるようです。なんという悲運でしょうか。
さてこの二つのケースを聞いて考えさせられました。それはあたかも企業の存続を暗示しているかのようです。企業は競争にさらされれば生存の為様々な工夫を凝らします。美しい色彩で蜂をおびき出すように市場に情報を発信してお客を引きつけます。しかし競争がない時は島の花が目立たない白い花しかつけないように活動が低下します。また猫に襲われるアカガシラカラスバトのように、突然新しい競争相手が現れると対策も打てぬ間に企業は倒産の危機にもさらされます。日本国内で外部からの競争から過剰に保護されたドメスティック産業はどうでしょうか?突然世の中を変える変化が起こった時に死滅する産業。どちらも身に迫る危機感の自覚がないことが共通点でもあります。毎日100という種が死滅している自然界。これを通して我々は何を学ぶべきでしょうか?
(鶴見)
(鶴見)
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