アクロス・アソシエイツ・コンサルタンツ

Sunday 7 February 2010

赴任者を信用しますかーその2

前回は最初の100日を自己改革につなげる話しを書きましたが、私のある友人から上司のプレッシャーと部下の間に挟まれ立ち上げに苦労した経験談を聞きました。色々なケースがあるでしょうが、まずFirst 100 daysを意識することが大切と思います。

さて今回は「赴任者を信用しますかーその2」です。その出来ごとは私が北米勤務時代に起こりました。当時北米販売子会社のトップは業界でも有名なあるアメリカ人経営者でした。彼の下で毎月厳しいビジネスのレビューミーティングが持たれました。ある時私のグループの過剰在庫が問題となりました。販売会社の過剰在庫は大きく業績に影響します。その時のトップの発言に私は大変なショックを受けました。彼は「発注の担当者が工場出身者であることが問題だ」と言ったのです。

海外販売子会社で工場に発注する担当者が工場出身者であるケースは稀ではありません。トップの発言の意味は、工場出身者では工場の稼働率などを優先して発注が行われることがある。つまり海外販売会社の在庫状況や市場販売状況を最優先せずに発注がなされる可能性を問題としたものです。もしそうであれば、確かに問題でしょう。しかし日本からのプロの購買担当者ならそんな仕事はしません。工場側の事情を理解し、かつ販売会社の在庫や販売状況をふまえて発注するものです。少なくとも私はそう信じていました。

しかし、そこに日本の経営の落とし穴があるのかも知れません。製造と販売両者の利益を同時に満たそうとするばかりに思いきった発注減などのアクションをとるのが遅くなる場合はあり得ます。日本からの赴任者が一体どちらの利益を主体に考えるのかを今一度考える必要があるのではありませんか?現地のマネジメントから「私は赴任者を信用しません」と言われない為にも。
そして何よりも会社に大きな損失を生じさせない為にも。皆様のご意見をお聞かせください。
(鶴見)

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